40万部も売れている魔法のぐっすり絵本があるのをご存知ですか?スウェーデンの行動科学者が作者(カール ヨハン・エリーン)なので心理学や、リラックス療法などの効果がふんだんに取り入れられています。なかなか夜、寝付けない子どももたった10分でぐっすりという帯タイトルにびっくり。子どもの寝かしつけだけでなく読んでいる大人まであくびが止まらないという魔法の絵本とはどういうものか調べてみました。
「おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本」世界的ベストセラー絵本。
※仏英米スペインのアマゾン総合ランキング1位
あらすじ
眠るのがキライな子ウサギの「ロジャー」。お母さんに連れられて誰でも必ず眠らせることができるという魔法を持つ「あくびおじさん」に会いにいく物語。その途中で出会うカタツムリやフクロウにも「上手に眠るコツ」のアドバイスをもらいます。絵本の主人公の名前は実際の子どもの名前に置き換えるようになっているので、よけいに物語の中に吸い込まれ、自分があくびおじさんに会いにいくような感覚になります。
大ヒットが生まれにくい子ども向け絵本の中でここまで大ヒットした理由は実際に絵本を読んで体験した母親の実感コメントがネット上で飛び交ったことによります。「普段興奮してなかなか眠てくれないうちの子も寝ました!」「いつも夜更かししていた息子が寝てくれた」など次々と感動コメントが。もちろん中には効果がなかったということもあるようですが日本国内でも40万部も売れたというんですからなかなかの効果があるようですね。ではその「ぐっすり」のしかけを探ってみましょう。
40万部の大ヒット!「ロジャー 魔法のぐっすり絵本」のしかけとは?
前述したように作者の「カール ヨハン・エリーン」さんは行動科学者。絵本の中身は心理学と言うよりも催眠術に近いものがあります。催眠術と言うと、コインを紐にぶら下げて目の前でゆらゆらさせながら「あなたは眠くな〜る、眠くな〜る」とやっていましたね。この絵本の中でも
まぶたはおもーく、おもーく
どんどん、どんどん、くたくたになって眠くなっちゃう
ゆーらゆら、ゆーらゆら、ゆったり、ゆっくり
ゆっくり考えて、ゆっくり静かに息をする
ゆっくりとおちついて。そのまま
3.2.1 ねむたーい、ねむたーい
という部分があります。催眠術っぽくてちょっとずるい気もしますが小さい子どもたちがどこまで言葉の意味を理解できるかもありますし、お母さんなど読み手の話し方の雰囲気で眠りやすくなるのかもです。
この絵本で眠りやすくするしかけのタネは大きく2つ。
- 心理学
- 自律訓練法
心理学は
先にお話しした催眠術的な言葉や、物語の中で何度もあくびシーンがあり、つられてあくびをする「ミラー効果」。
現実、大人でも隣の人があくびをすると、つい自分もしてしまう。あくびはうつるんです。それをうま〜く取り入れているんですね。
自律訓練法は
実際に医療の現場でも使われているリラックスをして心も体もゆったりとさせる療法。一種の自己催眠術なんですが、大人でもあがり症な人や緊張をほぐしたいという時にこの方法を身につけておくと便利です。
「自律訓練法 やり方」で検索すると方法が出てきますので自分にあった方法を見つけてくださいね。
私はヨガで毎回経験しています。「足先の力を抜いて〜、ふくらはぎの力を抜いて〜」と頭のてっぺんまで順々に力を抜いていき最後は目の力も口の力も全部抜けてだらんとします。結構、顔って力を入れているんですよ。意外に目や口周りに日頃ぐっと力が入っていることに気づかされました。
話を元に戻して・・・・。
この絵本の中にもフクロウが「足首の力を抜いて〜」など話しかけている場面は「自律訓練法」に当たります。
結果、眠るけど賛否両論な理由は?
日本国内でも異例の大ヒットの割には賛否両論。その理由はそれぞれのお母さんの考え方の違いによるもの。
賛成派は悩んでいた子どもの寝かしつけに効果があったと喜ぶ声が大半なんですが、
反対派は
- 催眠術的な手法がいかがなものか
- 内容が特になく、絵本としては絵が少ない読み聞かせ本だ。
- 言葉の羅列に意味がない
- もっと情操的な物語で眠らせたい
- 催眠術には解除作用が必要なのでそのまま眠らせるのは不安
などの声が。
確かに心理学を取り入れているため、どこか気持ちを意図的に操作している感は否めないかもですね。
でもよく考えると、普段子どもに「幼稚園は楽しいとところだよ♪」とか嫌いなものを食べてもらうために「これ食べたらこうなるよ」など心理作戦は往々にしてありますが、そのまま眠るというのに抵抗が出るというのもわかります。
自分の子どもの個性に合わせてアレンジも。
絵本の読み聞かせの寝落ち前に「明日の朝は元気に目覚めるよ」など解除言葉を追加したりと自分なりにアレンジ工夫して活用しているお母さんもいました。子どもの個性は様々なので催眠術っぽいのはいやだという方はやめておいたほうが無難ですね。
大人のための魔法のぐっすり絵本にいかが?
例えば不眠症で困っている人、薬を飲むくらいならこの絵本で眠れる方が体に負担は少ないかもですし、心理学的に効果は期待できるのであとはケースバイケースでどう使うかですね。
私はすでに読んだ方の反対派のコメントを読んで逆に興味を持ち、子どもにじゃなくて大人用、自分用に買ってみたくなりました。40万部ヒット、世界的ベストセラーという言葉に弱い私。なぜこれほどヒットしたのか、どれだけ効くのか、自分に効果があるのか。眠る前はなるべく「いいこと」「明るい展望」だけを考えて眠る一種の自己暗示をしながら眠っているのでこの絵本はどんな効果があるか興味津々です♪