つい最近まで梅雨で肌寒かったのに、急に気温が上がるこの時期こそ熱中症のピーク時期。まだ暑さに慣れていない身体が対応しきれなくなって、脱水症状からはじまる熱中症。「こまめな水分補給」とよく言われていますが、この水分補給について「あ~勘違い」では済まされない!高齢者やこどもさんは特にご注意。
熱中症予防、水だけ飲んでもだめな理由
「水分補給なんだから汗を大量に出した分、水をがぶ飲みしちゃえ~~」
なんて無茶な人はさすがにいないでしょうが、(^_^;)。水だけで水分補給しようするのは間違い!
それには2つの理由があります。
※ここでいう水とは、塩分、ミネラル、糖分などが含まれない水のことをさします。
1. 水をとっただけでは水分を体内にためておけないため。
塩分にはからだの中に水分をためる働きがあります。
水だけだと体内に水分を留めることはできず、飲んだ水分はすぐに尿や便になって排泄されてしまいます。
塩分があることによって、からだのなかに水分をためることができるのです。
お料理のきゅうりもみ、思い出して下さい。きゅうりに塩をかけるとしなっとしますよね?それは塩分が水分を吸い取ったからです。
水分吸収には塩がかかせないんです。(※ちなみにこの塩分が水分を吸い取る力は「浸透圧」といいます。)
2. 水分だけだと体液が薄まってしまって逆効果のため。
汗ってしょっぱいですよね?大量の汗とともにナトリウムも出ています。
そこに水だけ飲んでしまうと体液は薄まりとても危険。塩分や糖分の含まれない水ばかり飲むと水中毒になる危険性も・・・。
例えば喫茶店で頼んだアイスコーヒーを思い出して下さい。半分ほどなくなったあと量をふやすために水を足したらどうなるでしょう?
コーヒーは薄まり、濃度が薄くなる。人間のからだはそうなった場合、元の濃度に戻そうとして水分を排泄してしまうんです。そうなるとからだの中の体液が減って身体機能が低下し、熱中症になりやすくなってしまうんです。
などの理由から、水だけでの水分補給はNG。どうしても近くに水しかない場合は塩分のあるアメなどを一緒にとりましょう。
ではでは、日常的に飲む「熱中症予防」という目的では具体的に何を飲めば最適でしょうか。
熱中症を予防するにはどんな飲み物がいいの?
水分補給にいい飲み物リスト
- スポーツドリンク(適度な塩分を補給でき、手に入りやすく、飲みやすい)
- 麦茶、そば茶などのようにはカフェインが含まれていないもの
逆に熱中症予防の飲み物として避けたいものは
- アルコール全般
夏にはビール!おいしいですよね。
でも残念ながらアルコールは飲めば飲むほどからだから水分を奪い脱水してしまいます。
- 緑茶、紅茶、コーヒーなどカフェインのあるもの(利尿作用で水分を排出)
基本的にアルコール以外であればほとんどの飲み物が水分補給には、なります。
飲みやすいものを無理なく飲みやすい温度でこまめに飲むことが大事です。
利尿作用のあるカフェインを含むコーヒーや紅茶、お茶でも1リットル以上がぶ飲みするなどでなければいいですし、
牛乳やジュースもカロリーが高いこと、炭酸飲料は糖分の多いものに気をつければ水分補給の一端になれます。
また最近では熱中症予防にいいミネラルウォーターもたくさんでています。
水分を1日何回、いつ飲めばいいの?
水分はコップ1杯程度、1日8回を目安にがおすすめ。
- 起床時
- 朝食時
- 10時頃
- 昼食時
- 15時ころ
- 夕食事
- 入浴前後
- 寝る前
朝起きた時と寝る前、3度の食事とその間一回ずつと覚えておけば習慣化しやすいです。
後は子どもには定期的に大人が水分を摂らせる、高齢者などにはのどが乾く前に水分摂取を促すことがキーポイントです。
ふだんはミネラルウォーターや、飲みやすいスポーツドリンク、好きな飲み物(しつこいですが、アルコール以外)を上手に組み合わせて水分をとればオッケーです。
無理をしないで、飲みやすいもので水分補給しないと続きませんもんね。
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熱中症の症状がでてきた場合の水分補給は?
以前にある人気大物タレントが熱中症になって、その後「経口補水液」のコマーシャルに出ていましたが、熱中症の初期症状の脱水症になったら・・・
その場合の水分補給にはからだの成分に近い「経口補水液」です。
そもそも、熱中症にかかったらどんなサインが出るのでしょう?
- 顔が赤くほてる
- ぐったり
- 立ちくらみ
- 筋肉のけいれん
- 疲労感
など。
水分を長くとっていない、トイレにも行っていない、猛暑の中、休憩とっていなかったなど
思い当たるときはのどが乾く前にこまめに水分補給しておかないと水分をとることもできない程の重篤になってしまい危険です!
日本は「経口補水液」を買うことが容易ですが、熱い国でも経口補水液が行き渡ることができない国は果物や穀物から経口補水液を作っています。
簡単にできるので一度勉強のためにも手作りして、市販の経口補水液との違いを比べてみるのもいい経験になります。
身近な材料で自分で簡単に作ることができますが、あくまでも本物に近づけるようにというものなので
カリウム、マグネシウムも含まれておらず、本物より吸収も悪いのでこれで安心はしないで下さい。
そして次の注意ポイントを守ってくださいね。
- 量を間違えないこと
- 容器や手を清潔に
- 差し迫った場合や、下痢嘔吐などの症状がある場合は市販の経口補水液を使用すること。
経口補水液の簡単レシピ
水1リットル
砂糖(ブドウ糖がベストだが、ない場合砂糖で)20~40g
食塩3g
スポーツドリンクと経口補水液どちらがいいの?
経口補水液は、あくまで熱中症にかかってしまった時、初期の脱水症状が出た時に補給するもの。食事などと一緒に常飲するものではないし、脱水症状をおこしていない状態で飲むとおいしいものではなく、塩分の過剰摂取にもなりかねないので、いざという時用にストックしておきましょう。
また、スポーツドリンクは熱中症予防としての水分補給するもの。
お茶や水の様に、普段に嗜好品として飲むのもおすすめできません。
あくまでも猛暑や、お風呂上がり、炎天下での労働のあと、スポーツのあとなどの身体が水分を失われた時に補給するための飲み物です。
でも昨今の猛暑に熱中症対策とうたった商品も多数でていますし、メーカもこれは何に効くのとかアピールをどこかにかいているのでそれを参考にし、後は成分をみて判断するしかないようです。
できるだけ「経口補水液」に近い成分がいいので
目安としては厚生労働省によると、「ナトリウムイオン濃度が 40mg/100ml 」以上含まれているものが理想のようです。
ただ、知っておいてほしいことは、スポーツドリンクは、基本的にスポーツによる発汗によって失われた水分やミネラルを補給するための機能性飲料。
飲みやすくするために塩っぽく感じるナトリウムイオン濃度を抑えたり、甘くするためにブドウ糖濃度を高くしたりと味優先になることが多く、
組成に決まりはないのが実情です。
特に気をつけて欲しいのは、アミノ酸入り飲料水。アミノ酸によって身体への吸収率が遅く、また体温上昇効果があるので避けた方がいいでしょう。
スポーツの後の筋肉疲労の回復のためのアミノ酸配合ドリンクなので目的がちがいます。
熱中症予防にいいドリンクの作り方
日頃の水分補給を「熱中症予防ドリンク」として楽しんで手作りしてみてください♪
ただし、熱中症にかかった場合の効き目があるドリンクではないこと、
熱中症予防のためのドリンクということは認識してくださいね!
熱中症予防ドリンク
クックパッドのレシピ集→こちら
正しく水分補給できているか自分で確認するには?
特に運動前後での確認の仕方をご紹介します。
運動前後に体重をチェックしましょう。
どのくらい体の中の水分が失われたかが簡単に確認できます。運動前後の体重を比較して体重の減りが2%以内に収まっていれば大丈夫。
例えば50kgの女性の2%といえば1kg。運動後体重が49kgであれば合格。
それ以上の体重が減少してしまうと、体温があがり、筋肉の温度も上がって熱っぽくなり機能低下、水分不足ということになります。
まとめ
熱中症には知っていることで防げることがたくさんあります。猛暑はまだまだ続きます。
いろいろな情報を集めて自分や家族のからだを守ってあげましょう。
★熱中症予防に役立つサイト集