こどもの日(5月5日)のイベントの一つ「菖蒲湯」。お風呂に菖蒲を浮かべて入ると元気なこどもに育つと聞いたことありませんか。その理由は?本当のところ菖蒲湯って何の効果があるのか、小さい赤ちゃんに肌荒れの心配は?などの疑問を解決します。
こどもの日に菖蒲湯をする理由って知っています!?
ズバリお答えします!こどもの日に菖蒲湯をする理由は大きく分けて3つあります。
- 葉のまっすぐな形が縁起がいいこどもの日は「端午の節句」とも呼ばれ、男の子の誕生祝いにむすびついたのがちょうど江戸時代から。
時代的に菖蒲の葉がまっすぐな刀に見立てられることから縁起がいいとされました。 - 葉の香りが厄除け葉や根茎には精油が含まれているので爽やかな香りがします。
その芳香の強さから厄除けとされました。 - 菖蒲の植物効果菖蒲の葉を浮かべて暖かいお風呂に入ることで血行をよくし、
子どもの健康を願って定着していきました。
菖蒲ってどんな効果があるの?
「菖蒲根(しょうぶこん)」という生薬を聞いたことがありますか?
昔から菖蒲の根茎は健康増進に利用されていました。
ただ、菖蒲湯のように、お風呂に浮かべるだけでは病気治療を左右するような効果は期待できません。
ですが、菖蒲湯にはいることで、葉の芳香を楽しんで心をリラックスさせ、体をぽかぽか温めて血行をよくします。
なんどもいうようですが、菖蒲の根茎から作られる生薬は専門的な知識がいるため、素人では作れません。
あくまでもお湯に葉を浮かべて体も心もあったかに、元気なこどもに育つことを願うイベントとして楽しみましょう♪
赤ちゃんが菖蒲湯に入っても肌荒れなどの心配は?
敏感な赤ちゃんの肌。菖蒲湯を用意してくれたのはいいけど、入って大丈夫かな。と心配するのは当然です。
特におじいちゃんおばあちゃんは「元気に、健康に育って欲しい。」と願う強い気持ちからこどもの日には菖蒲湯をと考えます。
菖蒲自体はもちろん体に悪いものはないのですが、それについている虫及び化学肥料や、農薬が心配です。入手したお店の人に聞いてもきっと不確かな答えしか返ってこないでしょうから、よく洗って使うことが必要です。
また、肌が弱い赤ちゃんのこと、どんなきっかけで肌荒れがおこるかわからないので、菖蒲湯の中には入らずに、そのお湯を少し湯かけするなどしてはいかがでしょうか。
また、お風呂に入ってから痒がったりと何かおかしいなと思ったらすぐにシャワーで洗い流してあげましょう。
菖蒲湯にはいって肌荒れ、アレルギーをおこしたという事例はあまり聞きませんが、念のため「もう少し肌も厚く丈夫になってからに」と用心するに越したことはありませんよね。
菖蒲湯に使う菖蒲とあやめの違い
よく混同されるのが菖蒲(しょうぶ)とあやめ。
どちらも漢字変換すると「菖蒲」なので余計にややこしいですよね。
じゃどうやって区別したらいいのかというと、
もっとも大きなちがいは
菖蒲湯に使う菖蒲はあやめのような綺麗な花は咲きません。
- 菖蒲はなんかとっても地味〜なきりたんぽのような花
- アヤメは花弁に網目状の模様がはいった紫色の花
そして菖蒲はサトイモ科(ショウブ科)であやめはアヤメ科。似て非なるもの、全くの別物です。
それに加え、花菖蒲、カキツバタなどよく似た種類の花があるのでもっと混乱。
でも菖蒲湯に使う菖蒲は花をみれば(上の写真)すぐわかりますよね。ですが…、
葉だけみて区別するにはどうしたらいいの?
実際にアヤメの葉と菖蒲の葉は幅も同じくらい。葉っぱだけで見ると見分けが難しいですが、下記のポイントで見分けます。
菖蒲の葉っぱ
- 香りがすること
- やや光沢があり、黄緑〜緑色である
あやめの葉っぱ
- 青白い緑
ん〜〜。要は葉に強い爽やかな香りがしていたら菖蒲です。
もっと詳しく知りたいという人は、下記のページがわかりやすいです。
出典元:園芸ネット
健康効果があるのは「菖蒲」だけなのでしっかり見分けしてくださいね。
菖蒲の芳香には、「テルペン」という分類に属する多くの香り成分のほか、アザロン、オイゲノールといった香りの成分が含まれています。これらの成分は、血行促進、疲労回復に効果があります。また、この根茎を乾燥させたものが「菖蒲根」という生薬です。より香りの強いものがよいとされ、漢方では健胃や鎮痛、鎮静に効果を期待して用いられます。
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まとめ
こどもの日の菖蒲湯は「元気で健康に育つ」ことを願って、菖蒲の植物の力と香りの効果、厄除けとたくさんの思いをのっけた行事ということがわかりました。
昔は今のような医療技術も発展していなかったため、自然のパワーを活用して大切なこどもの健康を守ろうとしていたんですね。確かに菖蒲湯の効果は生薬としても利用されているように体にとっていいものですし、理にかなっていて先人の知恵はさすがです。
ただの言い伝え、風習と片付けずに、ぜひこどもの日の菖蒲湯を試してみてはいかがでしょう♪